インプラントとは
自身の歯と変わらない状態に戻す治療方法
インプラントとは、失われてしまった歯の代わりに、顎の骨に人工歯根を埋め込み、そこに人工歯を取り付ける治療法です。ブリッジのように隣接する歯を削る必要がなく、部分入れ歯のような違和感もありません。今まであった自身の歯と変わらない状態に戻す合理的な治療法だと言えます。
しかしながら、インプラント治療のトラブルも起きていることも事実です。十分な経験や知識などが伴わないまま治療を行った結果、医療事故やトラブルを起こてしまったケースも少なくありません。
当院では、患者様に安全安心なインプラント治療を受けて頂けるように、歯科医師の技術研鑽、スタッフ個々のレベルアップ、スムーズな連携体制、滅菌対策、治療後のメンテナンスにいたるまで、医院全体のレベルアップを図り、質の高いインプラント治療を提供できる体制を充実させています。
インプラント治療の利点
- 噛む力が天然歯に近い
- インプラントは顎の骨に直接に結合するので、天然の歯と同じように噛む力を回復することが出来ます。
- 周囲の歯に負担をかけない
- インプラントは、基本的に歯を失った部分のみで治療が完結します。ブリッジのように前後の歯を削ったり、部分入れ歯のように前後の歯にバネをかける必要がありません。
- 自然な仕上がり
- 周囲の歯に合わせた人工歯を選択すれば、高い審美性が期待できます。また、インプラントが顎の骨に力を加えますから、顎の骨が痩せるのを防ぐ効果があります。
インプラント治療の欠点
- 健康保険が適用できない
- インプラント治療は、健康保険の使用できない自由診療となります。使用するインプラントの種類や本数、人工歯の種類によって費用が異なります。
- 治療期間が長い
- インプラントが、顎の骨と結合するまでに3ヶ月から6ヶ月かかります。その後に人工歯を取り付けますので、トータルで4ヶ月から7ヶ月程度かかります。
- 誰でもインプラント治療ができるわけではない
- 糖尿病や心臓病など全身の状態によっては、インプラント治療ができないことがあります。インプラント治療を希望される方は主治医とご相談していただく必要があります。
インプラント治療に対する考え方
歯を失ったとき、その後の治療方法の選択で悩む方はたくさんいらっしゃいます。各治療方法にはそれぞれ利点と欠点がありますので、それは当然のことだと思います。
お口の中の状態や年齢、ご要望によって最適な治療方法は異なってきますが、お口全体の健康を考えれば、インプラント治療が第一選択肢であると考えます。なぜなら、インプラントは他の歯に負担を求めないので、残った自分の歯を守ることが出来るからです。
インプラント
ブリッジと比べて、両隣の健康な歯を削る必要がありません。
また、入れ歯と比較した場合、隣の歯にバネなどを引っ掛ける必要もないので残っている健康の歯が長持ちします。噛む力が強く、見た目も天然の歯と遜色ありません。
ブリッジ
部分入れ歯に比べると安定しており、噛む力も回復するため自分の歯に近い噛み心地があります。しかし、ブリッジを支える両隣の歯を大幅に削る必要があります。
また、噛み合せたとき両隣の歯に負担がかかるため、さらに歯を失ってしまう可能性が高いと言えます。
部分入れ歯
両隣の健康な歯をほとんど削らずに済みます。しかし、バネで入れ歯を支える構造のため残った歯に負担を求めます。支えとなった歯は、噛むたびにバネの力が働き横方向に揺さぶられて、歯を失う可能性があります。
また、入れ歯は歯ぐきの上にのっているため、不安定で噛む力は弱くなり硬いものが噛めなくなるといったデメリットがあります。
当院のインプラント治療の特徴
インプラント部位を含めた口腔内全体の健康を管理
10年後、さらに20年後もインプラントを機能させることを考えながら治療することが大切です。
特に「歯を失ったらとりあえずインプラント」といった考え方はとても危険です。当院では、歯周病がある方の場合は、まず歯周病治療を優先いたします。インプラントを支える顎の骨をしっかりと安定させる歯周病治療を徹底することにより、インプラントを長期間機能させることができるのです。
また、担当衛生士制によるメンテナンス体制を整えており、インプラント部位を含めた口腔内全体の健康管理を行っております。
インプラント部位だけではなくお口全体の健康を管理するメンテナンスを継続して受診していただくことで、いつまでもしっかり噛める健康なお口の状態を保つことができるのです。
おりはら歯科医院で使用するインプラント
インプラントメーカーは全世界で200社以上存在するといわれています。ほとんどのメーカーには互換性が無く、治療実績、手術方法、適応症例などに違いがあります。当院では、厚生労働省の認可を受けたインプラントメーカーの中から個々の患者様のお口の状態にあったものを使い分けています。
マイティスアローインプラント
日本製のインプラントであり、日本人やアジア人の顎の骨に合った形態をもっています。国産インプラントの中では、唯一マイティスアローインプラントだけがFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けています。これは、アメリカが安全と認める一定以上基準をクリアしており、技術、質ともに認められたということです。マイティスアローインプラントの大きな特徴は、ABS表面処理が施されていること。ABS表面処理は、接着力を向上させる処理をした後に、長時間にわたって純水を用いた超音波洗浄を行う方法です。
この表面処理により、インプラントと顎の骨との接触面積が広がるだけでなく、細胞の活性化を促します。つまり、早い段階でインプラントが安定(初期固定)して、感染症のリスクも下げることができるのです。
オステムインプラント
アジアシェア1位、世界シェア6位のメーカーがオステムインプラントです。アジア人は、欧米人と比べると顎も小さく、歯茎の厚さも薄いために、欧米製のインプラントシステムが合わないことがよくありました。オステムは、欧米人とは異なるアジア人の骨格に合わせて開発されているのが特徴で、造骨細胞の優れた多分化能を持つ「SA surface」を採用、初期の固定が容易で、骨との結合がよい優秀なインプラントです。
また、直径6mmと7mmのワイド&ショートのインプラントがラインナップされています。上顎では ワイドでショートサイズのインプラントを使用すれば、サイナスリフトなどの補助手術を回避できることもあります。下顎においても、下歯槽神経を避けて安全にインプラントを埋入することができます。日本人は、欧米人に比べて骨量が少ないために、オステムインプラントシステムのようなワイド&ショートのサイズで優れた表面性状を持ったインプラントは大変有効だと感じています。
インプラント治療の流れ
インプラントメーカーは全世界で200社以上存在するといわれています。ほとんどのメーカーには互換性が無く、治療実績、手術方法、適応症例などに違いがあります。当院では、厚生労働省の認可を受けたインプラントメーカーの中から個々の患者様のお口の状態にあったものを使い分けています。
- 1精密検査・診断
- 診断に必要な精密検査を実施します。インプラント治療の成功は、お口の環境に左右されますので、虫歯や歯周病それに噛み合わせなどの状態を精査いたします。
また、噛み合わせや骨の状態に問題がある場合はそちらの治療を優先し、終了後にインプラント治療を始めます。
- 2治療計画の説明
- 精密検査・診断に基づいた治療計画を立案して、治療の流れやリスク、およその治療期間、さらにメンテナンスについて詳しくご説明いたします。
- 3インプラントの埋入
- 治療計画に基づいてインプラントを埋入します。埋入する本数により時間は左右されますがおよそ60分程度のアポイントになります。
一次手術終了後、インプラントが骨の中でしっかりと結合されるまでの待機期間を設けます。個人差がありますが、通常2〜6か月程度です。
- 4人工歯の装着
- 埋入したインプラントの頭部を露出させ、人工歯を接続するための土台を取り付けます。その後に、人工歯をインプラントに取り付けます。最初は仮歯を装着します。
頬などを噛むことがないか、話しにくくないかなど装着した仮歯の状態を確認し、調整を行います。問題がなければ、本物の人工歯に置き換えます。最後に歯みがきの仕方を指導いたします。
- 5メンテナンス
- 治療後は定期的なメンテナンスを受けていただきます。インプラントを長く使用するためには、毎日の歯磨きと定期的なメンテナンスがとても大切です。
3ヶ月から6ヶ月に1回程度のメンテナンスを受けていただき、インプラントや人工歯の状態、噛み合わせを確認することをお勧めいたします。
定期的なメンテナンスが必須です
インプラント治療は、人工歯が装着された時点で終了します。しかし、大切なのはその後です。インプラントを長期に渡って機能させるためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
よく誤解されがちですが、インプラントも天然の歯と同様に、清掃状態が悪いと歯周病になります。歯周病に感染すればインプラントもダメになってしまう恐れがあります。
歯周病からインプラントを守る為に必要なのは、言うまでもなく歯磨きです。担当衛生士の指導に基づいた正しい歯磨きを行いましょう。
それに加えて、定期的なメンテナンスを受けてください。メンテナンスでは、インプラントの状態、歯肉の状態、噛み合わせのバランスなどをチェックするとともに、担当の歯科衛生士によるクリーニングを実施いたします。
メンテナンスは、インプラント治療を受けた歯科医院で受けるのがベストです。あなたのインプラントのこと、骨の状態、歯肉の状態、お口の中全体のことなど、インプラント治療を通じての情報は、治療を行った歯科医院が一番分かっているからです。