サージテル(拡大鏡)精密治療
サージテルは、歯を拡大して見ることができる歯科治療専用の双眼ルーペです。テレスコープと呼ばれることもあります。サージテルには、低倍率から高倍率のものまであり、治療目的に応じて使い分けが可能です。当院では、3倍と8倍率のサージテルを導入しています。
歯科治療の多くは、精密さが求められます。しかし、肉眼で行なう歯科治療では、見えない部分も多く、正確な診断や処置が難しい症例もあります。そんな時に、サージテルを活用すれば、診断の精度が高まると同時に、精密な歯科治療も可能となりました。
サージテル(拡大鏡)精密治療のメリット
最大のメリットは、裸眼では見えない部分がはっきりと認識できること。たとえば、歯に被せ物を装着するために歯面の形を整えた際、裸眼の状態で歯を削ると、キレイに削ったつもりでも、実際に拡大してみると、歯面はでこぼこになっています。そんな状態で被せ物を接着すると小さな隙間が生じて、虫歯菌などの細菌が侵入しやすくなります。サージテルを使用すると、ミクロン単位で仕上げることが可能になり、歯面が滑らかになります。被せ物を接着しても隙間がなく装着できるので、虫歯菌が侵入しずらくなり、結果として歯の寿命を長くすることに繋がります。
裸眼の視野と拡大鏡の視野の違い
下の写真をご覧ください。左が裸眼で見たときの視野、右が拡大鏡「サージテル」(倍率8倍)で見たときの視野です。その差は一目瞭然ですね。 大きく見ることで、詰め物もぴったり合わせたり、歯を削るのを必要最小限にとどめたり、虫歯を早期発見できます。
精密な治療をする上で、拡大鏡を使う方が圧倒的に有利なのがわかります。
サージテルが活躍する治療分野
サージテルは、虫歯治療や審美歯科治療、根管治療など、特に精密さが求められる歯科治療で、その威力を発揮します。
虫歯治療
サージテルを使用すると、虫歯に冒された部分と健康な部分の境目がはっきりと認識できるので、歯を削る量を必要最小限に抑えることができます。もちろん、虫歯を削りとった後も、隙間なく確実に詰めることが可能です。つまり、治療の精度が高まり、虫歯や歯周病の再発を抑えることができます。
審美歯科治療
裸眼で行なう歯科治療では、被せ物や詰め物と歯の間に、目で見てもわからないほどの段差や隙間が生じてしまうケースがあります。わずかでも隙間が生じると細菌の侵入リスクが高くなり、虫歯や歯周病などのトラブルを引き起こしかねません。サージテルを使用すると、被せ物や詰め物と歯の隙間を緊密に封鎖することができます。装着時の適合性も高まり、精密な審美歯科治療が可能になります。
根管治療
人間が裸眼で識別できる大きさは通常0.2mmだといわれ、根管内を肉眼で見ることは不可能です。そのため、多くの歯科医師は手探りの状態での治療を強いられます。サージテルを使うと、見えない根管や多少の汚れなども拡大して見えるので、丁寧で確実な処置ができます。