入れ歯について
患者様のお口の状態に合った入れ歯をご提案
歯を失った場合の治療方法の選択肢としては、インプラント・入れ歯・ブリッジがあります。インプラント治療の技術進展は目覚しく、歯を失った場合の第一選択肢として認知されるようになりました。しかし、骨の条件や全身疾患などが理由でインプラント治療が出来ない方もたくさんいらっしゃいます。当院では、患者様が入れ歯で悩むことのないように、お口の状態をきちんと診断した上で、どのような入れ歯がお口に合うか提案いたします。
入れ歯の利点
- 外科処置の必要がない
- 入れ歯は、インプラント治療のような外科処置を必要としません。特に高齢の方は、全身疾患を抱えているために外科処置ができない場合がよくあります。
- 費用が安価である
- 入れ歯は、たとえ自費治療であったとしても、インプラントに比べると安価になることが大半です。現在のインプラント1本あたりの費用は、平均40万円前後ですから、複数本の治療となると経済的な負担が大きくなります。
- 歯を削る量が少ない
- 部分入れ歯の場合は、ブリッジと異なり、自分の歯をあまり削りません。自分の歯を削らないということは、その歯の寿命を伸ばすことにつながります。
入れ歯の欠点
- 不快感を訴える方が多い
- 入れ歯は、慣れるまでにそれなりの時間を要します。また、使用中の入れ歯から新しい入れ歯に新製作した場合も同様です。
- 見た目の問題がある
- 部分入れ歯の場合、金属のバネをご自身の歯にかける必要があります。特に前歯にばねをかける場合は、審美的に劣ってしまいます。
- 歯に負担がかかる
- 入れ歯を安定させるために金属のバネをかけた歯には、大きな負担がかかり、歯を失う原因になることがあります。
入れ歯の種類
入れ歯にも、保険適応のものから、審美性の高い自費治療のものまで、様々な選択肢があります。入れ歯の噛み心地を優先するのか、見た目の美しさを優先するのか。できるだけ費用をかけずに入れ歯を作ることを優先するのか。まずは、患者様のご要望をお伺いした上で、口腔内環境やライフスタイルに合った、最適な入れ歯をご提案いたします。
プラスチック床の入れ歯
歯肉に触れる部分がピンクのプラスチックで製作された保険適用の入れ歯です。プラスチックは磨耗しますから、時間の経過とともに脆くなり、割れやすくなります。 噛む力をプラスチックで支えるためには、入れ歯を大きく、そして厚く設計する必要があります。金属床の入れ歯と比べて平均すると3倍程度(1.5~3.0mm以上)の厚みが必要になります。もちろん、厚みが増すほど、舌の稼動領域が狭くなるので、違和感を覚えやすくなります。
また、プラスチックは、熱を伝えにくい材質なので、食べ物の温度を感じづらく、結果として味覚が落ちることがあります。
※食事時に感じる味覚として、甘い・辛い・酸っぱい・しょっぱい・苦いなどがありますが、熱い・冷たいなどの温度感覚も、味覚を大きく左右します。
金属床の入れ歯
歯肉に触れる部分が金属で製作された保険適用外の入れ歯です。金属床は、強度が高いので、プラスチック床の入れ歯よりも小さく、そして薄く設計することができます。その結果、話しやすさや違和感の減少につながります。
プラスチック床の入れ歯は、噛む力が大きく加わると、たわんで変形を起こすことがあります。変形が大きくなれば、入れ歯を支えているお口の中は予測できない力を受ける事になります。それが粘膜の炎症や支えている歯へのダメージにつながります。
金属床は、たわまず、ねじれないので、残された自分の歯や歯周組織に負担をかけません。また、熱伝導率が高く、食べ物の熱を感じやすいので料理を楽しむことができます。
金属のバネがないノンクラスプデンチャー
金属を使わないナイロン樹脂でつくられる部分入れ歯です。プラスチック床の入れ歯は、残った自分の歯に金属のバネをかけて固定します。そのため、お口を開けた時にどうしても金属が目立ってしまいます。
この入れ歯は、床自体で歯に維持させるので金属バネは必要ありません。また、歯肉に近い色の素材を使用しているので、一見入れ歯とは気付かれません。とくに見た目を気にされる方には大変喜ばれています。
プラスチック床の入れ歯では、割れないようにある程度の厚みが必要です。しかし、ナイロン樹脂で作るこの入れ歯は、薄く設計できるのでフィット感や舌感が良く、違和感も少なくなります。
インプラント併用義歯(インプラントオーバーデンチャー)
歯を失うと避けられないのが顎の骨が痩せてしまうこと。歯が抜けた後も長期間に渡って徐々に顎の骨は痩せ続けるため、入れ歯を安定させることが徐々に難しくなります。入れ歯が安定しないで困っている方に推奨する治療方法が入れ歯とインプラントを組み合わせたインプラントオーバーデンチャーです。
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントを入れ歯の固定源として活用します。通常の入れ歯は、歯ぐき(粘膜)に乗せている構造のため、入れ歯が安定しません。しかし、インプラントオーバーデンチャーは顎の骨に固定されたインプラントがあるので入れ歯が安定します。歯ぐきだけで支える入れ歯よりも安定感がずっと向上するのが最大の利点です。