歯科治療はどうして1回で終わらないの?
歯医者の治療はなぜ何度も通わなくてはいけないのだろう、長くかかるから途中で行くのをやめてしまった、という経験はありませんか?お口のトラブルを途中で放置せず、しっかり治療していただくために、どんな治療をしているのか、治療の期間や回数の疑問についてご紹介します。
歯科は段階的な治療がほとんど
歯科治療は、お口を検査する、歯を削る、場合によっては歯の根や歯茎の治療をする、歯型を取る、詰め物や被せ物を作る、作った詰め物などを装着するといった段階的な治療がほとんどです。そのため、1回ではなかなか治療が終わることはありません。
お口のトラブルの状況によって治療方法や期間が変わる
例えば虫歯の場合、進⾏段階によって治療⽅法や期間が大きく異なります。虫歯のごく初期段階であれば、歯の再石灰化(虫歯を修復する力)を促すことができるように管理すれば、歯を削る必要はありませんが、期間を空けて経過を見たり、予防処置を行います。また、C1(シーワン)と呼ばれる小さな虫歯の場合は、虫歯を削って白い樹脂で詰める1回の処置で終わります。
しかし虫歯が大きくなると、歯を削るだけでなく、歯の根の治療が必要になるので、個人差はありますが1本の歯に対して2~3回の処置、また被せ物の型取り、装着など複数回通院が必要となります。
このようにお口のトラブルの進行状況によって治療内容が変わります。対応が早ければ早いほど、短く済むことが多いです。
患者様への負担
治療が必要な個所が複数ある場合、一度で多くの歯の処置を行うと、口を開けた状態が続くため、負担が大きくなってしまいます。また、被せ物や詰め物ができるまでの間、噛みづらく食事ができないなど日常生活で問題が出てきますので、全体のかみ合わせの状態や、患者様への負担を考慮して治療を分けて行うため、複数回の通院が必要になることもあります。
保険治療のルール
保険適用の治療では、平等な医療提供のために一度の通院でできる治療に制限があります。
治療後も歯科定期健診の受診をおすすめしている
治療が終わったのに、なぜ歯医者に行かなくてはならないの?と思う方も少なくありません。お口のトラブルを予防することで、お口やからだの健康を保つだけでなく、通院回数や費用を抑えることができますので、治療後も歯科定期健診の受診をおすすめする歯科医院が多くなっています。
虫歯や歯周病などのお口のトラブルは、自然に治ることはありません。治療を途中でやめてしまった方や、どうしても仕事などの理由で何度も通院できないなどお悩みの場合は、お気軽にご相談下さい。