知っておきたい顎のトラブル「顎関節症」
前回のコラムでも歯の接触癖や歯ぎしり・食いしばりが顎のトラブルに繋がることをご紹介しましたが、コロナ禍で顎のトラブルを抱えている方が増加しているという特集をよく目にします。
そこで今回は顎のトラブル顎関節症の原因や改善方法についてご紹介します。
顎関節症の症状について
顎関節症は主に、顎が痛い、口が開けにくい、顎を動かすと⾳がする、硬いものが噛めないといった症状があります。顎周りだけではなく頭痛や肩こりなど全⾝に影響を与えることもあります。
これらの顎のトラブルは、コロナ前のデータではありますが、20~30歳代の女性に多い傾向にあります。
顎関節症の増加の原因
顎関節症は、噛みしめや歯ぎしり、ストレス、噛み合わせの問題、頬杖やうつぶせ寝、片側で噛むなどが原因としてよく挙げられますが、これに加えてコロナ禍での長期にわたるマスク生活で無意識のうちにお口に力が入っていたり、パソコンやスマホを操作するときの少し俯き加減の姿勢が歯を接触させてしまうことなどが指摘されています。
また、巣ごもり生活で家族との時間が増えた一方で、一人暮らしの方は孤独を感じるなど、どちらも精神的にストレスを感じていることも影響しているのではないかと考えられています。
顎関節症を改善するには?
噛みしめや歯ぎしりをしないように意識する、ストレスを上手に発散する、頬杖やうつぶせ寝をしないようにするなどそれぞれの原因を取り除いてあげることが大切です。人が少ない場合や、距離が取れるときにはマスクを外してリラックスする、パソコンやスマホを使う時は適度に休憩を取って体を動かすなど自己管理で症状が軽減されます。
かかりつけの歯科医院で相談することも大切です。当クリニックでは主に改善方法のアドバイスや、ナイトガード(マウスピース)で寝ている時の⾷いしばりや⻭ぎしりを予防したり、噛み合わせの調整をいたします。顎のトラブルだけでなく、その他のお口のお悩みはご自身で判断せず遠慮なくご相談下さい。
参考
公益社団法⼈ ⽇本⼝腔外科学会 https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/gaku/itai/
厚生労働省 平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-02.pdf