2021年10月21日

誤嚥性肺炎とその予防方法

誤嚥性肺炎とは

食べ物や飲み物を飲み込むと、口から食道を通って胃に入っていきますが、飲み込む機能が低下すると、食べ物などが口から気管に入ってしまいます。このとき、唾液や食べ物などと一緒に、細菌が気管支や肺に入ることが原因で引き起こされる肺炎が誤嚥性肺炎です。

誤嚥性肺炎

飲み込む機能や咳の反射が低下したり、その他薬の副作⽤や認知機能の低下など、様々な理由で誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。

肺炎と聞くと歯科ではあまり関係ないように思えますが、口腔内の細菌が誤嚥性肺炎を引き起こすことが多いとされており、お⼝の中が清潔に保たれていないと、発症するリスクが上がってしまいます。

 

誤嚥性肺炎の予防⽅法

口腔内を清潔に保つ

誤嚥性肺炎の原因となる細菌を減らすためには、プラークコントロールが重要です。プラークコントロールとは、できるだけプラーク(細菌)の量を減らして、⾃分の⻭や⻭⾁など⾝体に悪い影響が出ないようにプラークの増殖を抑制し、コントロールしておくことです。

⻭がない場合でもお⼝には汚れがありますので、粘膜用の柔らかいブラシでケアをしてお⼝の中を清潔にしましょう。

過去のブログ「プラークコントロールについて」も併せてご覧ください。

 

正しい姿勢で食事をする

椅子に座って食事ができる場合は、足の裏が床につく高さの椅子で、姿勢を正して食べましょう。上向きでは飲み込みにくく、気管に入ってしまう可能性があります。ベッドで座ったり、姿勢が保ちにくい場合は、クッションや丸めたバスタオルなどを腰に当てるなど工夫すると良いでしょう。

正しい姿勢

 

ゆっくりよく噛んで食べる

急いで⾷べると噛む回数も減り、のどに詰まりやすくなります。よく噛む、しっかり飲み込むなどひとつひとつの動作を意識してゆっくり⾷べましょう。

 

飲み込みやすい工夫をする

飲み込む機能が低下すると、固形物だけでなく、⽔でもむせる場合があります。固形物は柔らかくしたり、飲み物やスープなどはとろみをつけると飲み込みやすくなります。また、口に入れる前に飲み込みやすいサイズにし、少量ずつ口に運びましょう。

噛んだり⾷感を感じたりすることで、味や⾷事の楽しみを感じることができます。流動⾷のように柔らかすぎるものばかりではなく、状況によって無理のない程度に、食べる楽しみを感じることができる工夫をしましょう。

 

お口のトレーニングをする

頬や⾆、お⼝周りを動かす簡単な体操をすることによって、飲み込むトレーニングになります。また、唾液線のマッサージなどしっかり唾液の分泌を促すことも効果的です。

口周りの体操

お口の機能の低下は、年齢を重ねるにしたがって少しずつ気が付かないうちに進んでいきます。お口のトレーニングやプラークコントロールなど、今からでもできることはたくさんあります。食べこぼしやむせるなど、些細な変化を感じる前に、早い段階から意識して実践してくださいね。

 

参考

⽇⻭8020テレビ https://www.jda.or.jp/tv/10.html

⼀般社団法⼈ ⽇本呼吸器学会 https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/disease_qa/disease_a12.pdf

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