2024年4月20日

虫歯のメカニズムと対策

虫歯は、口の中に住みついている細菌が食べ物や飲み物に含まれる糖質をエサにして作られる「酸」によって歯が溶かされ、穴が空いてしまう疾患です。虫歯の発生にはいくつかの要因が絡んでおり、そのメカニズムを理解し、予防に活かすことが重要です。

今回は虫歯のメカニズムと虫歯になりにくい口腔環境づくりのポイントをご紹介します。

虫歯

 

虫歯のメカニズム

虫歯になる原因には、「歯の質」「細菌」「糖分」が関わっており、これらに時間が経過することで虫歯が発生します。

⾍⻭のメカニズム

①歯の質

歯の質には、個人差があります。歯の表面を覆っているエナメル質や内側の象牙質などの状態によって虫歯のなりやすい人となりにくい人が居ます。

 

②細菌

口の中にはミュータンス菌などの細菌が常に存在しています。これらの細菌は食べ物の残りカスや糖分をエサにして酸を作り出し、歯を溶かしていきます。

 

③糖分

細菌のエサとなる糖質(特に砂糖)が口内に増えると、細菌の活動が活発化し、酸の生成が増加します。

 

虫歯になりにくい口内環境づくりのポイント

歯の質の強化

強い歯を育てる栄養素

強い歯を育てるためには、主にカルシウム、タンパク質、ビタミンA、C、Dなどの栄養素が必要です。

これらを含む食べ物を取り入れ、バランスの良い食事を心がけましょう。

また、フッ素は、歯の質を強化して酸に溶けにくい性質に変えたり、細菌の活動を弱め、酸が作られるのを抑える働きがあります。歯磨きのときに、フッ素入りの歯磨きペーストや洗口液を取り入れると良いでしょう。

 

食事の回数や時間の管理

脱灰と再石灰化

食事や間食の回数や時間を決めて、だらだら食べないようにしましょう。常に飲んだり食べたりする状態が続くと、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリン酸が溶け出てしまう状態の「脱灰(だっかい)」の時間が長くなり、歯を修復する「再石灰化」が間に合わず、虫歯になるリスクがアップしてしまいます。

また、お菓子やジュースなど糖分の多いものを口にする機会が多い方は、食事や間食の内容を見直してみましょう。甘いものが食べたいときは、キシリトール配合のタブレットやガム、チョコレートなどもありますので、置き換えてみても良いでしょう。

 

正しい歯磨きの習慣

虫歯予防にはプラーク(歯垢)をしっかり取り除くことができる「正しい歯磨き」を身につけることが大切です。歯ブラシの毛先を歯の表面や、歯と歯の間、歯茎との境目などにきちんと当て、優しい力で小刻みに動かして1本ずつ磨く意識で歯磨きを行いましょう。歯並びやお口の状態に合わせた正しい歯磨き方法は、歯科医院で教えてもらうことができます。その他デンタルフロスや歯間ブラシも併用することで、しっかりプラークを落とすことができます。

 

まとめ

今回は虫歯のメカニズムと虫歯になりにくい口腔環境づくりのポイントをご紹介しました。虫歯は日常の生活習慣や食事、歯磨きなどが大きく関与しています。日頃の習慣の見直しや定期的な歯科検診で健康なお口を維持しましょう。

当院では、予防のプロフェッショナルである歯科衛生士が複数名在籍しており、患者様のお口の環境に応じた予防処置を提供いたしております。また、既に虫歯がある場合はしっかり治療することも大切です。当院では痛みに配慮した治療や、可能な限り歯を削らない方針で治療を行っております。

患者様のお口に関するお悩みやご相談にも対応いたしますので、お気軽にご相談下さい。

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